鍼灸について

鍼灸治療の基本的な効果発現機序としては, 痛みの抑制系の賦活, 筋緊張の緩和作用, 組織循環の改善が挙げられ, これらの機序を効率的に作用させることで各疾患の症状改善に繋がります.

当院では, 動物実験や臨床試験による基礎・臨床研究の結果から効果的な治療部位、刺激方法を選択して各疾患・症状に対して鍼灸治療を行っています.

世界保健機構(WHO)では以下の疾患について鍼灸治療の適応としています.

【運動器疾患】

  肩こり, 五十肩, 腰痛, 腰部脊柱管狭窄症, 頸椎症, 変形性膝関節症, 腱鞘炎, テニス肘 等

【消化器・呼吸器疾患】

  便秘, 下痢, 痔疾, 慢性胃炎, 食欲不振, 気管支喘息, 鼻炎, 感冒, 扁桃炎 等

【疼痛性疾患】

  頭痛, 坐骨神経痛, 術後疼痛, ヘルペス後神経痛, 三叉神経痛 等

【神経変性疾患】

  パーキンソン病 等

【循環器疾患】

  低血圧症に伴う諸症状, 冷え症, 本態性高血圧症 等

【泌尿器・産婦人科系疾患】

  月経異常, 更年期障害, 逆子, 不妊, インポテンス, 失禁症 等

【感覚器系疾患】

  仮性近視, 眼精疲労, メニエール病, 耳鳴り, 難聴 等

【小児疾患】

  夜尿症, 小児神経症, 消化不良 等

鍼灸に関する Q & A

Q. 何回受けると効果が現れますか?

A. 症状や病気にもよりますが, 慢性的な痛みなどの自覚症状がある場合には一般的に週に1回程度, 2~3ヵ月を目安に通院すると改

    善が見られるケースが多いとされています.また, 鍼灸治療が効果を示す病気の中には, 完全に治るものと, 症状が改善した後も

    病気のコントロールが必要なものがあります.治療の継続が必要な方には担当鍼灸師がご説明します.

Q. 数十分置いておく鍼(置鍼)と刺してすぐ抜く鍼(単刺) ではどちらの方が効果が高いですか?

A. 一般的には, 鍼を刺した時と抜く時に生体反応が起こりやすいことが実験的に示されています. 刺激強度で考えると, これらの操

    作が多い単刺の方が反応が強く起こることになりますが, どちらが適しているかは症状や刺激に対する感受性・反応性によって

    異なります.

Q. 鍼はどのくらいの深さまで刺しますか?

A. 刺入深度は身体の部位や目的とする組織(皮膚, 筋肉, 腱, 靭帯, 神経)によって変えており, 鍼を刺さずに皮膚表面に接触させる

    だけの場合もあれば, 深部に位置する神経を直接刺激する際には7cmほど刺入することもあります. 経穴(ツボ)と言われる部

    位は体表の座標のみ決められているため, 同じツボでも鍼の刺入深度によって刺激を受容する組織は異なり, 効果も異なります.

Q. 鍼は痛い方が効きますか?心地良い方が効きますか?

A. 鍼を刺入した際に感じる 『ズーン』 『ズキーン』 とした感覚は鍼特有のひびき・得気(とっき)と言われ, 心地良いと感じる方

    もいれば痛いと感じる方もいて, 個人差があります. 治療を目的とする際はどちらが効果的ということはありません.硬い, 痛い

    などの異常な反応が現れている部位や障害部は正常な部位と比べると敏感なため, 強い刺激を感じやすくなっています.