頻尿に鍼灸治療が有効です

 

 

1.頻尿とは

 昼間の排尿回数が8回以上で、夜間の排尿回数が1回以上行かれる場合は「頻尿」といいます。このような状態が改善せず継続している場合は排尿機能が正常ではないと考えて、専門の泌尿器科医に受診されるか、明治国際医療大学駅前鍼灸院へ相談してください。
 

2.頻尿を主とする疾患とは

 頻尿を主とする疾患は、膀胱炎・前立腺肥大症・間質性膀胱炎・神経性頻尿および過活動膀胱があります。
 ここでは、過活動膀胱に関する情報を中心にお話を進めたいと思います。
 

3.過活動膀胱について

 尿意切迫感を主症状とするもので、頻尿・夜間頻尿を伴う(切迫性尿失禁の有無は問わない)疾患を過活動膀胱といいます。
 
 原因には神経が関わっている場合と、そうでない場合があります。 神経に原因があるタイプ(神経因性)には、脳血管障害による二次的な症状として発現します。また、神経以外の原因によっておこるタイプ(非神経因性)としては、男性では前立腺肥大症による二次的な病態として発現することがあります。また、加齢によってもおこります。
 
 注意点として、糖尿病、間質性膀胱炎、神経性頻尿などがあると排尿回数が多くなることがあります。また、血尿(目で見て赤い尿)が出た場合も、泌尿器科の専門医に相談して下さい(重篤な病気が隠れていることがあります)。
 

4.過活動膀胱の鍼灸治療

  頻尿(過活動膀胱)に対する鍼灸治療には、腰の下(仙骨部)にある経穴(ツボ)である中髎穴に鍼もしくはお灸を用いて刺激を与えます。これによって、膀胱の過敏な状態が改善されます。これまでの研究では、過活動膀胱の患者さんに対して鍼治療を行ったところ、約60%の患者さんに「尿意切迫感および頻尿」の症状が改善されました。
 
 鍼治療によって症状が改善された患者さんと、症状の改善されなかった患者さんの違いを調査したところ、症状の改善された患者さんは、膀胱容量の増大(膀胱の過敏な状態が改善され、蓄尿機能が改善されたことを示す)がみられています。