パーキンソン病とは

 
 

1.パーキンソン病とは 

 パーキンソン病は、脳内で分泌されるドパミンという神経の伝達物質が少なくなって起こる病気です。手足のふるえや、動作が遅くなる、筋がこわばる、歩きにくい、といった症状が現れます。一般にパーキンソン病はL-dopa等の薬で治療されていますが、多くの方が鍼灸治療を希望して来院されます。
 

2.パーキンソン病の歩行障害に対する鍼治療

 パーキンソン病の症状の中でも、歩きにくさ(歩行障害)が最も日常生活に支障をきたし、鍼灸治療を希望される方も多いです。この場合、太ももやふくらはぎのこわばり感や、首のこりを自覚している患者さんが多いようです。鍼治療の前後で比べると、多くの場合、筋肉のこわばり感やこり感の軽く、歩幅が広く、歩くスピードが速くなって、歩行の力強さが増します。
 

3.パーキンソン病の痛みについて

 パーキンソン病では、姿勢が前屈みになることや、左右どちらか一方に傾くことがよくあります。これらの姿勢の変化は、筋肉が緊張して、筋肉の血のめぐりが悪くなって、痛みを引き起こします。
 
 鍼灸治療は筋肉や皮膚の血のめぐりをよくし、筋肉の緊張をゆるめる効果があり、パーキンソン病の姿勢異常に伴う筋肉の痛みに対して有効です。また、自律神経を調整する働きもあるので、便秘や不眠、冷えといった症状にも効果が期待されます。このようにさまざまなパーキンソン病の症状を緩和し運動機能を向上させて、病気の進行抑制を目指していきます。
 

4.症例(治療例)

 
 写真のパーキンソン病患者さんは、姿勢が左側に傾くために腰痛でお困りでした。鍼灸治療を行うと、3日程度は「腰痛が楽になり、身体も温かくなって気持が良い」と言われ、歩行も改善しました。