たかが肩こり、されど肩こり

 
 

1.肩こり

  ストレス社会と言われる現代において、精神的・身体的ストレスが要因と考えられる肩こり症状を自覚する方はかなり多いのではないでしょうか。でも、その肩こり、本当にストレスが原因でしょうか。

 

2.肩こりの原因

 もちろん、肩こりの要因の1つとしてストレスが関与しているケースが多いのは事実です。しかし、成人に関しては、多くの場合、頚椎の退行変性(加齢による変化)を基盤として起こっています。
 『加齢による変化って、まだ40代だけど?』なんて思われる方もいらっしゃるでしょう。いえいえ、人間の身体は、努力で維持しやすい外見に対して、内部の変化は案外、早く進んでいるのです。肩こり症状に関連する頚椎に関しては、20歳を過ぎると変性が始まると言われています。30代、40代の方はもう立派な!?ベテランです。
 

3.肩こりの対処法

 では、どうすれば肩こりと上手く付き合っていけるのでしょう。要因となるストレスを取り除く、予防のための運動を継続することも重要です。それでもなかなか良くならない方も多いはず。そんな方に鍼灸治療をおすすめします。
 
 肩こりを自覚されている方の多くは、頚肩部周囲の筋が異常な緊張を起こしています。これは、頚椎の変性が基盤となって、そこを支配する神経が刺激されることによって、その神経が支配する筋、つまり頚肩部周囲の筋に影響を及ぼした結果、生じるものです。
 
 また、肩こりと同時に頭痛や眼の違和感・疲労などを訴える方がよく来院されますが、これも神経支配の関係(あるいは神経と神経の接続の関係)から症状が現れていると考えられます。鍼灸治療は、症状の原因となっている神経に直接的または間接的に刺激をすることによって症状を緩解へと導きます。
 
 たかが肩こり、されど肩こり、我慢がかえって状況を悪化させるケース、重篤な病気を見逃してしまうこともあります。ぜひ一度、ご相談下さい。肩こりの原因と悪化要因を見極め、鍼灸治療とあわせて、それぞれに合ったお付き合いの方法を提案します。
 

今枝美和