スポーツと鍼灸

 
 

1.スポーツによって起こるケガに対する鍼灸治療

 スポーツ選手は、「もっとうまくなりたい」、「もっと強くなりたい」と思い日々トレーニングを行っています。しかし、その量が過剰であったり、フォームや用具に問題があったりするとケガをしてしまいます。
 
 スポーツで起こるケガ(スポーツ傷害)には、骨折や捻挫などのように1回の外力が原因となるケガ(スポーツ外傷)と、テニス肘やシンスプリント、ジャンパー膝、野球肩など、主に使いすぎが原因となるケガ(スポーツ障害・オーバーユース障害)があります。
 
 スポーツ外傷では、鍼灸治療は急性期の症状が治まった後にスポーツ復帰に向けて行うアスレティックリハビリテーションと併用して用います。一方のスポーツ障害では、痛みや機能障害が問題となることが多く、慢性的に症状が繰り返したり、症状によってパフォーマンスの発揮が妨げられたりします。
 
 鍼灸治療には痛みや筋の緊張を抑えたり、血流を良くしたりする効果があり、スポーツ障害に対して有効な治療法の一つになっています。
 

2.コンディショニングとケガの予防への鍼灸治療の応用

 スポーツ選手が練習や試合で最良のパフォーマンスを発揮するためには、ケガが問題となるだけではなく、コンディションを整えること(コンディショニング)も重要です。鍼灸治療は筋肉の張りや疲労感、その他の不定愁訴など多彩で細かな症状に対して効果が期待できます。日頃から鍼灸治療でコンディショニングを行うことは、最良のパフォーマンス発揮だけではなく、ケガの予防にもつながります。
 
 このように、鍼灸はトップアスリートからスポーツ愛好家まで、様々な場面で用いられています。当院では、ケガの病態に応じた鍼灸治療を行と共に、コンディショニングを目的とした鍼灸治療も行っています。